NPOとか社会貢献とか2011/07/29 22:38

そういう起業塾にいるから当たり前なのかもしれないけど、事業計画が「それは金持ちの道楽ですか?」とツッコミたくなるようなものが多い。

こういうことがしたい、という思いばかりが膨らんでいる。

講師も、お金を稼ぐことは簡単です、などと焚き付ける。

ソーシャルビジネスっていうくらいのものだから、ビジネスになっていないと話にならないハズだと思うが、「思い」偏重のこの講座では、講師はともかく、生徒が「思い」の実現の予感に酔っているかのような甘い空気が漂っている。

NPOの代表の方々が直々に壇上に立って下さったりするわけだが、しっかりとした本業があり、活動は自己実現の為の事業という位置づけであるという方も少なくなく、NPO活動のみで生活しているという人は、多くは、常にその日暮らし的な綱渡り的な危機感と共にあり、常勤職員の待遇は労基法遵守もままならない低賃金であったりする。

勿論、職員当人は了解済みであるのだろうが、雇用者としての最低限の責任も果たせない状態にありながら、どういう神経でいつまでも職員の献身に甘えていられるのか、私には理解不能だ。

そういう実態を目の当たりにしながら、尚、事業プランに社会貢献要素をぶら下げて、いったいみんなはどこまで本気で言っているのだろうと不思議に思う。
金を稼ぐ事自体は簡単だ、と、本気で思っているのか。

全く事業の体を成していないプランの披露に辟易して、自分の社会人としての責任はちゃんと果たしていけるのですか、と問いかけたい衝動を抑えるのに疲れ果てる。

かくいう私も、その一員であり、発表の順番がまわってきたら、自分自身がまるで現実味を感じない、絵空事の「すばらしい事業」のプランを披露する事になるのではある。

ここまできて、まず自身の生活を確保して、その上での趣味的・自慰的・自己満足的・何かの代償行為的な事業として、赤字を出さないだけでも上出来、といった社会貢献事業プランがはじめて現実味を帯びて語られる、という事を学ぶ事が出来たようなものだ。